それにしても、世の中不景気のせいか余裕がない。NHKがかわいさ余って憎さ百倍、飼い犬に手を噛まれたとばかりに騒ぐ気持ちは分からないでもないが、昨日まで許していたものを、こうも見事に手のひらを返して攻撃する時代のムード。だって、みんな、ガチンコなんて下品な言葉、ずっと使ってたじゃない。火のないところに言葉は……ね。知ってたんでしょ。
それはさておいて、3月6日ZERO 1両国国技館大会。橋本真也の長男大地のデビュー戦、橋本大地VS蝶野正洋。闘魂三銃士の武藤、蝶野が両国国技館で25周年大会を開く中、橋本真也25周年記念大会を後楽園ホールで開催したあの日、大谷晋二郎は天国の橋本に誓っていたのかもしれない。「大地のデビュー戦はなにがなんでも両国でやります」と。
後楽園ホールが半分埋まるか埋まらないかの今のZERO 1に、両国はいくらなんでも無茶だ。でも、誓ってしまったものはしょうがない。大谷晋二郎、田中将斗の両エースがそれぞれシングルマッチで高山善廣、永田裕志を迎え撃つ。これに追加カードで世界ヘビー級選手権、チャンピオン関本大介VS挑戦者中邑真輔でも発表すれば、一万人くらい……ごめん、集まるはずもない。
かくなるうえは、春場所も中止になってしまったことだし、稀勢の里率いるはぐれガチンコ相撲軍団が東スポ紙上でさんざん煽ってから、両国大会に乱入でもしてくれはしないか。
リング中央で拳を突き上げる稀勢の里。
「てめぇら、この状態が今何を意味しているのか解るか?俺はこの両国のど真中に立ったんだぞ、今」
いつか見た風景。再び永田裕志が立ちはだかる。
「永田、よくお前だけが上がって来たな。天下を獲り損ねた男がよく上がって来た」
にらみ合う永田と稀勢の里。
「大関を獲り損ねた男がはっきり言っちゃえばいいんですよ。生活が苦しくてプロレスしか働き場がねえって。いいんだね、殺っちゃって」
ここで両軍大乱闘。久々のZERO 1名物、リング上はイナバの物置状態。ついて来たものの事態が飲み込めずおろおろする高見盛を蹴り飛ばして、田中将斗が叫ぶ。
「紙面飾って何がやりたいんじゃ、コラ」
いつになく饒舌な稀勢の里。まるで人が変わったよう。
「お前らのブックは曙には通用しても、俺たちには通用しないぞ」
ここで火祭り刀を手に大谷登場。
「いいか、よーく聞け。プロレスには教科書はあっても、ブックなんてないぞ」
そう、プロレスの教科書110ページにはこうあります。ごちゃごちゃ言わんと、誰が一番強いか決めたらいいんじゃ。
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